いまや生活に欠かせなくなったコンビニエンスストアは、年中無休が売り物だが、鉄道だって負けてはいません。

鉄道は基本的に、年中無休で運行されています。

.日祝日などで本数が減ることはあっても、一日に1度も運行しないという日はまずないのです。

ところがここに例外があって、毎年一年に1度だけ、休業日のある鉄道があるのです。

高岡市では毎年5月1日に、御車山という山車が市内を練り歩く、御車山祭が催されます。

380年の伝統を誇る祭りで、加賀藩の祖前田利家が秀吉より拝領した御車山を、二代目藩主.利長が高岡城を築くにあたり、町民に与えたのが始まりといわれます。

御車山は7台あり、高さはなんと8メートル。

これが市中を練り歩くので、高岡市では祭りの当日、行列の邪魔になるものはすべて撤去してしまいます。

ところが、高岡市内にある加越能鉄道の架線の高さは、およそ5メートルほどです。

これでは8メートルある御車山は、架線の下をくぐり抜けることができないのです。

そこで、祭りの当日には架線をはずし、御車山が支障なく進めるようにしているというわけです。

七尾富山高岡富山湾越線路がなければ、当然列車は走れないのです。

そこで、この日に限って加越能鉄道は休業となります。

年中無体で働く鉄道も、こんなおめでたい祭りの日なら、休んでもいいのかも。

架線をはずす工事をひと目見ようと、わざわざやってくる鉄道ファンもいるらしい。