新幹線の座席配置といえば、普通車が2&3、グリーン車が2&2というのが一般的です。

つまり、普通車は中央通路をはさんで左右に2席と3席、グリーン車は左右に2席ずっという配置です。

いうまでもなく2&2のほうが、座席の幅が広くゆったりでき、その座り心地のよさがグリーン料金に反映されているというわけなのだが、じつは普通車でありながら、座席配置が2&2になっている新幹線があります。

ひとつは、東京ー新大阪間を走る〈こだま〉の一部です。

時刻表の主な車両の座席配置図というページを見ると、普通車2&2シートという車両がちゃんとあります。

さらに列車の編成ご案内というページをめくると、こだま.指定席2&2シートという列車の編成が載っており、この〈こだま〉は9〜12号車の指定席が、すべて2&2なのです。

では、具体的にどの駅を何時に出発する〈こだま〉が、この列車編成になっているのか?

それも東海道新幹線の時刻表にちゃんと書いてあります。

たとえば、東京発なら、6時35分発の〈こだま441号〉名古屋行きも2&2のひとつで、欄外に指定席は2&2シートとしっかり記されています。

2&2の〈こだま〉は、現在上下線で各8本ほど運行しているが、うれしいのは、土曜休日をのぞくと、この2&2の〈こだま〉は、列車によって全車自由席になるということ。

時刻表でそのことを確認して9〜12号車の入り口に並べば、指定席券不要で2&2シートに座れるわけです。

もうひとつは、東京ー博多間を結ぶ〈グランドひかり〉です。

この列車の7、9、10号車は2階建てで8号車は食堂車、2階部分がグリーン車になっているが、じつはその1階部分が2&2の普通車。

たしかに2階建て車両の1階というのは、慣れないとちょっと息苦しい感じがするものだが、そのシートは、大きさといい、リクライニングの角度といい、グリーン車並みのゼイタクなつくり。

さらに、山陽新幹線区間では、備えっけのヘッドホンでビデオや音楽も楽しめます。

こんな席にふつうの指定席料金だけで座れるのなら、これはもう絶対にお得というべきです。

次回はぜひ〈グランドひかり〉の2&2に乗ってみたいという人は、指定席特急券を買うさい、7、9、10号車の普通車で申し込むこと。

遠くへ飛ぶほど割安感が生まれてきます。

鉄道も同じで、長い距離を乗るほど割安になります。

JRグループでは、営業キロが300キロを超えると、1キロあたりの運賃率が300キロまでより若干安くなるように設定してあります。

さらに601キロ以上になると、キロあたりの運賃率は、300キロまでのときの半分になります。

ここのところを利用するのが、ポイントです。

たとえば東京から岐阜へ行くとき、JR東海道本線を使うと片道の距離は3963キロ、運賃にすると6300円になります。

帰りも同じルートをたどると、東京ー岐阜往復で、運賃の合計は6300×21万2600円です。

しかし、これより1780円も安くなるルートがあります。

しかし、帰りは高山本線を使って美濃太田に出て、そこから太多線で多治見へ。

多治見からは中央本線で東京に戻るというコースです。

JRの運賃計算法では、同じルートを使わない限り、どういうコースをとろうと、それは片道扱いとなります。

実際にこのルートで計算した営業キロ数は、以下のとおりです。

東京←岐阜……396.3キロ岐阜←美濃太田……30キロ換算キロ美濃太田←多治見……19.6キロ換算キロ多治見←東京……360.7キロしめて806.6キロで、その運賃は1万820円。

単純に東海道本線を往復すると1万2600円だから、1780円の節約。

往復の弁当代ぐらいは浮かせることができるわけです。

こうしたコースは、探し出せばそれこそ無限にあります。

行きと帰りの車窓の風景がちがうというのも楽しいもの。

少々時間がかかっても、安くて楽しければ、こういう旅のほうがいいという人もいるはずです。

これは、営業キロ数が片道601キロ以上の場合、往復キップを買うと、行きも帰りも普通運賃が1割引きになるという制度だが、目的地まで片道601キロ未満という場合でも、利用できないことはないのです。

というよりむしろ、利用したほうが得という場合があるのです。

どういうことか。

実際のルートで説明してみましょう。

たとえば、東京から東北本線で一路、北をめざす場合です。