越後線の新潟大学前、鹿児島本線の九産大前九州工大前、片町線学研都市線の同志社前、山陰本線の鳥取大学前など、JRには大学の名前がついた駅はいろいろあります。
私鉄になるとさらに多く、首都圏では、京王井の頭線の駒場東大前明大前、東急新玉川線の駒沢大学、東急東横線の都立大学学芸大学、小田急小田原線の成城学園前玉川学園前など、関西でも阪急千里線の関大前や叡山電鉄の京都精華大前などなど。
大学名というのは、駅名になるほどステイタスがあるということなのでしょう。
こうした大学名がついた駅のひとつに、千葉県佐倉市にある京成電鉄の山万ユーカリが丘線女子大駅があります。
名前からして、当然近くには女子大があるだろうと思いきや、このあたりに女子大は影も形もないのです。
けっきょく、女子大ができるということでつけた、女子大という駅名だけが残ってしまったのです。
しかし、これも計画倒れに終わり、駅名に学園という名前だけが残ったケースです。
こうした例はかなり特殊だが、大学名がついているのに、実際その駅に行ってみると、付近には大学がないというケースはけっこうあります。
移転により大学はなくなったものの、駅名は変更していないからです。
先に挙げた東急東横線の都立大学や学芸大学もそうです。
東京都立大学は1991年に多摩ニュータウンに移転し、最寄り駅は京王相模原線南大沢駅になったのです。
いそうです。
また東京学芸大学は30年以上まえに小金井市に移転しているが、やはり同じような理由で駅名を変えていません。
駅名だけを見て、当然この駅に大学があるだろうと思い込んでいると、たいへんなことにもなります。
たとえば入試の日、大前で電車を降りても大学がなく、けっきょく受験できなかった、などということにもなりかねないので、ご用心。
ところがこの抜いたり抜かれたりといった列車同士の関係が、時刻表ではけっこうわかりにくいです。
旅の友として欠かせない時刻表には、じつはそんな泣きどころがあります。
時刻表には冒頭に、時刻表の使い方を説明したページがあるが、そのなかに、時刻の早い順に左から右へ並べてありますが、列車の速度差やスペースの都合で前後している場合もありますといった内容が書かれています。
これが、まさに時刻表の泣きどころを説明しているくだりなのです。
たとえば東海道本線で、東京からエル特急〈踊り子〉に乗って小田原まで行き、そこから普通列車に乗り換えて、隣駅の早川まで行きたいとします。
時刻表で、次の鈍行が来るのがいつか探そうと、〈踊り子107号〉の右側の欄に目をやると、すぐ隣に13時43分発の普通列車があります。
では、早川に止まる列車に乗るには、小田原で41分待たなければならないかというと、これがちがうのです。
〈踊り子107号〉のすぐ左側の欄を見ると、13時21分発の普通列車があるし、さらにその左側には13時11分発のものもあります。
これなら、9分の待ち合わせですむ。
左側に掲載された列車に気づかないと、電車から降りてのんびりしているうちに、ちょうどいいタイミングでやって来た次の列車を乗り過ごしてしまうということにもなりかねないのです。
路線や時間帯によっては、この特急に接続する普通列車はもうないと思っていたら、じつは前ページに、まだ走っている普通列車が載っていたなどということもありうる。
時刻表が発車時刻順に列車を並べているために起こる逆転現象だが、スイスやイギリスの時刻表では、そのあたりがうまく工夫されています。
たとえば特急列車が鈍行列車を追い抜くと、その時点でその普通列車の欄も、特急列車のあと、すなわち右側に移動するようになっています。
移動した欄の場所は、スイスの場合は列車番号で、イギリスの場合は矢印でわかるようにしてあります。
日本のものに比べて、ずいぶん便利なように思えるこれらの時刻表だが、デメリットもあります。
欄が何度も移っていくぶんスペースも必要になるため、どうしてもページ数が増えてしまうことです。
旅行の荷物をできるだけコンパクトにするには、時刻表はかさばらないほうがいいでしょう。
その意味では、特急に追い抜かれても欄が変わらない日本の時刻表のほうが、便利といえます。
読みやすく、しかも持ち運びが簡単。
将来、そんな時刻表が登場する日は来るでしょうか。